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睡眠時無呼吸症候群の検査って何をする?自宅でできる検査から治療まで

[2026.09.21]

睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思っても、検査は大がかりなのではないか、病院に一晩泊まる必要があるのかと受診をためらってしまう方は少なくありません。

実は、睡眠時無呼吸症候群の検査には、自宅で行える簡易検査があります。

今回は、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合にどのような検査を行い、どのように治療へと進むのかを分かりやすく解説します。

睡眠時無呼吸症候群は寝ている間の呼吸状態を調べる病気

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が止まったり、浅く弱くなったりすることを繰り返す病気です。睡眠中の出来事であるため、患者様ご自身では症状に気づきにくいという特徴があります。

以下のような症状に心当たりがある場合は、睡眠中の呼吸状態を客観的に調べることが重要です。

  • 大きないびきをかく
  • 家族から息が止まっていると指摘される
  • 夜中に何度も目が覚める・トイレに起きる
  • 日中に強い眠気や倦怠感がある
  • 朝起きたときに頭痛やすっきりしない感覚がある

米国睡眠医学会(AASM)のガイドラインにおいても、睡眠時無呼吸症候群が疑われる際には、問診だけでなく客観的な睡眠検査による診断が推奨されています。[1]

まずは自宅でできる簡易検査から

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは在宅睡眠時無呼吸検査(簡易検査)を行うのが一般的です。

専用の小型検査機器をご自宅へ持ち帰り、普段と同じように寝室で就寝しながら測定します。

検査機器では、主に以下の項目を記録します。

  • 鼻や口からの空気の流れ(気流)
  • 胸やお腹の呼吸運動
  • 血液中の酸素濃度(SpO2)

病院に入院することなく、自宅でいつも通りに眠りながら検査を受けられる点が大きなメリットです。重い合併症のない成人において、自宅での簡易検査は有効な初期診断の選択肢とされています。[1、2]

自宅で行う簡易検査の具体的な流れ

自宅での検査は、以下の手順でスムーズに行うことができます。

  1. 医師の診察
    いびきの有無、夜間の呼吸停止、日中の眠気などの症状を詳しく問診します。血圧や体格、鼻・喉の形状を確認し、検査の必要性を判断します。医師の診察と評価を受けたうえで検査を実施することが推奨されています。[2]
  2. 検査機器を装着して自宅で就寝
    手の指や鼻の下などにセンサーを取り付け、普段通りの環境で就寝します。病院のベッドでは緊張して眠れないという方でも、普段の睡眠環境のままリラックスして検査を受けることが可能です。
  3. 検査データの解析と結果説明
    機器に記録されたデータを医療機関で解析します。睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示すAHI(無呼吸低呼吸指数)や酸素低下度を算出し、問診結果と合わせて医師が総合的に重症度を診断します。[2]

自宅の簡易検査だけでは不十分なケース

自宅での簡易検査は非常に便利ですが、すべての患者様に適しているわけではありません。以下のような状態に該当する場合は、医療機関で一泊して行う精密検査が適しています。[1]

  • 重度の心疾患や呼吸器疾患を患っている方
  • 神経疾患や筋疾患をお持ちの方
  • 睡眠中の低換気症候群が疑われる方
  • 脳卒中の既往歴がある方
  • 重度の不眠症を合併している方

また、自宅の簡易検査で目立った異常が検出されなかった場合でも、臨床症状が強ければ精密検査を行う必要があります。[1、3]自宅検査で異常がないからといって病気を完全に否定できるわけではないため、症状に応じた専門的な判断が欠かせません。

精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ検査)で調べる内容

精密検査であるPSG検査は、医療機関に宿泊して睡眠の質と呼吸状態を詳細に調べる検査です。簡易検査に比べて格段に多くの生体シグナルを記録します。

脳波・眼球運動 眠りの深さ(睡眠段階)や中途覚醒の有無を正確に測定します。
筋電図 オトガイ(あご)や足の筋肉の動きを記録し、睡眠中の筋緊張を調べます。
呼吸・心電図 気流、胸腹部の動き、いびき音、血液中酸素濃度、心拍リズムを精密に測定します。

PSG検査を行うことで、実際に眠っていた時間や睡眠の質を含めた総合的な評価が可能になります。[1]初めから全員にPSG検査を行うのではなく、まずは自宅の簡易検査を行い、必要に応じて精密検査へステップアップしていくことが可能です。

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合の治療法

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と確定診断された場合は、重症度や身体状況に合わせて治療を開始します。

代表的な治療法:CPAP(シーパップ)療法

中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群において、標準的な治療法として広く用いられているのがCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。

就寝中に専用のマスクを装着し、機器から空気を気道へ送り込んで閉塞を防ぎます。日中の強い眠気や高血圧などの合併症がある方に対して、ガイドラインでも有効な治療法として推奨されています。[4]機器の導入後も定期的に通院し、使用状況や呼吸改善の効果を確認しながら治療を継続します。

自覚症状に頼らず早期の受診・相談を

昔からのいびきだから問題ない、太っていないから無呼吸にはならないと考えて受診を見送っている方も少なくありません。しかし、睡眠時無呼吸症候群は自覚症状や体型だけで判断できない病気です。

放置すると高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病や重大な循環器疾患のリスクを高める要因となります。心当たりのある症状がある場合は、早期の検査と適切な治療をおすすめします。

当院の睡眠時無呼吸症候群の診療について

当院では、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方へ向けて、ご自宅で手軽に実施できる簡易睡眠検査を行っております。

  1. 初診・問診
    症状や日常生活でのお困りごとを丁寧に伺い、鼻や喉の状態を確認します。
  2. ご自宅での簡易検査
    小型の検査機器をお渡しし、ご自宅で普段通りに就寝しながら測定していただきます。
  3. 結果説明・精密検査の手配
    解析結果をわかりやすくご説明し、必要に応じて精密検査の手配を行います。
  4. 治療開始・CPAP管理
    診断結果に基づき、CPAP療法をはじめとする適切な治療プランをご提案します。

入院検査は仕事や家庭の都合で難しいという方でも自宅検査からスムーズに開始できます。ご家族からいびきや呼吸停止を指摘された方や日中の強い眠気でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

気になる検査と治療の費用目安

検査を受けたいけれど、費用が心配という方も多いと思います。

睡眠時無呼吸症候群の簡易検査やCPAP治療は、一定の基準を満たすことで健康保険が適用されます。

当院での費用の目安は以下のとおりです。

ご自宅での簡易検査(初診料・解析料込) 3割負担の場合:およそ3,800円
CPAP治療(機器レンタル料・診察料込) 3割負担の場合:月額およそ4,000円

※上記は費用の目安であり、検査・治療の内容によって実際の自己負担額は異なります。
※当院のご自宅での簡易検査の約3,800円は、初診料・解析料を含む費用です。
※CPAP治療の月額約4,000円は、機器レンタル料・診察料を含む費用です。
※他の検査や投薬などを行う場合には、別途費用が発生します。

病院に泊まって検査するのではと心配される方もいますが、まずはご自宅でできる簡易検査から調べられる場合があります。費用についても、受診前にある程度の目安を知っておくと安心です。


参考文献

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